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ここに来てまた優しくしてもらってしまって、とてもとてもしんどい。罪悪感で死にそうだ。彼の人は私がもうじき去ることを知っていて、あえてたたみかけたのか？お喋りをしてくれてありがとう。でもやっぱり私には出来ないです。あなたのようにはなれないよ。なりもしない。やりたくない。管理できない。多すぎる。でも、彼の姿が一番正しくて、私もやるならちゃんとやろうと、それになりたいと思ったわ。組版を目指したのは、あるべき姿になりたかったからだ。労働者としてあるべき姿、良い労働者になりたかったんだった。
怖い。
でも腑に落ちないのが、わたくしたちは一個の組織ではないのに、どうしてそんなに身内意識が生じるの？ということで、あとで聞いてみよう。もう聞く機会もないだろうから。
結果。まず、私は根本的な勘違いをしていた。社会保障があるから身内意識が生まれるのではないよ、そりゃそうでしょうよ。何という思い違いであったか。考えると動けなくなっちゃうから考えないと言っていた。見あっているかどうかと聞いた、それに対する回答。私は、悪いとは思わなくなってきて(腰掛けでいるから別に大丈夫なんである)、あとはあなた方への好きでやっているだけだ。でもあなた方は腰掛けじゃないのに、もっと条件の良いところがあるでしょうよと思った。でも彼らはここを気に入っているんだろうな。周囲がとても綺麗だから。身内意識っていうのは、最初の入りは運で決まって、あとは長くいたら自然と生じてしまうものなんでしょうね。何かがあるから生まれるとか生まれないとかではなく。私は、悪いから生まない方がよいと考えていたのだ。あえて生ませないか。いつもそうだ。そうやって嫌さを回避する。頑張って書いて、私。よくわからなかったですまさないで。自分で雑務をしなくていいのは楽で、取り分は減るが安定はしていて、誰かに背中を預けられるのは安心できて、その分自分が助けてあげるのは当たり前で(先輩ですからとのこと)、だから普段から仲良くしておいて、でも仕事がちゃんと来るようにちゃんとするようにしていて(彼はこれがずば抜けているのだ、考え方は根本的に違うが、正しいのは彼だ)、そう、ちゃんとするようにしている。たくさん準備して、技量を磨いて、なんでも出来るようにしている。素敵である。筋が通っていて、とても理に適っていて、でも冷淡じゃなくて、素敵だ。暖かい。それを踏み躙って悲しい。吐きそう、泣きそう、踏み躙ってしまった、でも私は私を晒さない、だから結局いられない、いない。言えないし言わない。カテゴリーで、外見で判断されたくない。もっと聞いたけど、経費で落とせる話、国保8かけ、労災の話、呼ばれるようになる話、仕組みの話(なんとかハウスからどうとか)、あとはなんだっけ、薄れてきてしまったな。ああ思い出した。楽したいと言っていた。下を育てて、自分は楽をするのだと言っていた。そうやって続いて、そうやって回ればいいのだと。とても世界のこと考えてるのね。私が世界のこと考えてるんだって思ってたけど、そんなことなかったな。世界のこと考えるのも、ベクトルが色々あるんだな。私はもっと利己的だったな。働かないでいいなら働かないけど、働ける時に働いて稼いどく、敢えて窮地に立たせて、自分を鼓舞するという話。あとは、お喋りだったか。思い出して書く。特注して、弟子に誰がいて、食事会したりして、彼はどうとかで、ここのケーキがおいしいとか、コーヒーが好きとか、このお酒が好きとか、浮いたお金で投資しなさいとか。どうしてそんなに優しいのかと聞いた。回るようにだと。綺麗だ。心が綺麗である。私はそれを踏み躙った。
のどかでよかった。静かで寒くて、ブランコに乗っていた女の子、柴犬(コタローと呼ばれていたか)、お母さん。女の子が話しかけて、お母さんと柴犬君が喋っている。いつまでもここにはいない。もうちょっとしたら、私の「あと4年」のカウントダウンに立つ。うかうかしてられない。世界のことに気を配ってはいられない。そうやって、私は世界と断絶して、身を守る。愛着がわいた今は、とりわけ怖い。
お餞別を渡す機会はあるだろうか。知らぬ間に匿名で送って、それで良いことにしたい。私の中では終わったことにしたい。5月が過ぎたら、髪を切ろう。早く終わってくれ。死にそうだ。
