70年

久しぶりにパソコンを開いて、この日記を書いている。業務で使っていたパソコンのキーボードが若干、私が使っているものより狭く、それは数字キー?があるので、これは少し広く、遠く感じる。早いとほめてもらえることがあって、嬉しかった。早いと思っていたことがあまりないので。ショのレポートのおかげですね。暇な日は、要領などをタイピングして、右手と左手の割合が異なっているという癖をなおしたかったのだけど、あまり治らなかった。

 

明日、明日というか次回で、労働の日々はとりあえず終わり。私は学生ですと言っていたので、良くしていただいているお姉さま方は「大学に戻るんだね」とおっしゃっていただいて、ああ大学は「戻る」場所ということになっているのだなあとぼんやりと思った。どうでしょうか、戻る場所なのかな。なんというか、私は今の大学に「戻る」とか、そもそも所属しているという意識が薄くて、なんだろう、いさせてもらっているとか、お邪魔しているとか、お借りしているとか、そういう意識が強い。入学を許されたときからそう感じている。なので、やはり「戻る」というのは不適切であろうな。もちろん、お姉さま方はそういう意図でおっしゃってはないだろう。

居心地がよかった、とくに4月以降はとても良くて、でもこれは、私にはここが生活の場ではなく、ちょっといるだけとしていたからだ。何事も、本気になってしまうと、手に入れられないものが多くて、嫌になってしまうだろう。今日でお会いするのが最後の人に、「寂しいですね」と言ったけれども、果たして本当に寂しいと思ったのだろうか。もう二度と会うことがないのだろう。多くの方々に、私はいつもよくしていただいたから、それを手にいれられなくなるのが惜しいのではないか。今日で会うのが最後のその彼は、私は彼のことがひそかにすごく好きであった。声がとても美しくて、背が高くて、しゅっとしていて、綺麗なグレイヘアをお持ちで、ユーモアがあって、派手なシャツを着ていることが多かった。彼ともっと話したかったなと思う。いつも緊張して、ほとんど話せなかったのだ。よく思われなきゃと思っていたから、きょどってしまった。これは大きな発見であるが、私はすべての人に良く思われたいみたいですね。その彼は、長い脚をゆったりと組んで、椅子に腰かけていて、その姿がとても様になっていて、彼の余裕を表しているようで、それがいつも綺麗だなと思っていた。でもこんなことを言うような仲でもなく(セクハラになってしまう!)、ひそかに眺めるに留めていた。ばれていたかもしれない。本をね、休み時間にいつも読んでいて、聞いたら、図書館によく行くんだって。「30年図書館通いユーザーなんだ、ふふ」、とおっしゃっていて、借りている姿を想像した。お喋りをたまにしたんだけど、綺麗にオチを落とす。ああ、若い頃はさぞかし水気がおありで、おもてになったのでしょうね。話を促すように、「なるほど?」と語尾を上げて「なるほど」を言っていて、いいなと思っていた。

今日その彼が言っていたことで面白かったのが、70を過ぎるとこんなにぼけてしまうのか、ということで、僕はあと4年後だから、自分の将来を見ているようで恐ろしいと。それは、とても興味深い話である。私は、「おばあちゃんになったらこうなってしまうのか」とは思うけれども、切羽詰まった恐怖ではない。彼にとっては、少しの恐怖と、諦念の観のようなものであったのではないか。なるほど、と思って聞いていた。ね、彼、ユーモアがあるでしょう。「あなたは大丈夫ですよ、上手だし」なんて言ったけど、なんて返したらいいのかわからなかったな。あーもう、もっと話せばよかった。でも話せなかったな。密かに慕っていたんですよ、私。

 

それとは別に、かわいがってくださったおじい様がいらして、私は彼がかわいがってくれるのがとてもとても嬉しくて、それから彼と会えるのが嬉しくて、なので別れ際はきちんと挨拶をしたかったのだけど、たまたまシフトが被ることがなく、そのままお別れになってしまって、とてもかなしい。もう二度と会うことはないのだろう。彼は、ホワイトデーと言って私にスタバーバックスのカードをくれて、それはとてもかわいくて、金額も大きくて、きちんとお返しをしないといけないと思っていたのに、後回しにしたから、お返しも渡さず、その上without saying goodbayになってしまった。愚かだな。もう二度と会うことはないのだろう。私はどうやって返せばいいのだろう。もらいっぱなしという不均衡に耐えられない。私の下の代に返していけばいいのだろうか。

木曜日に、それとは違うお兄さんが、最後だから食事に行こうとランチに誘ってくれて、結局スタバでお茶をしたのだけど、

・気をつかうか金をつかうか

・残業はしない。大変なときは手伝うけど、定時で帰って、自分の好きなことをするのが私はよいと。

・気持ちよくおごられてください、食事するのが嫌なのかなと思うから。社風とかもあるけどね。上の代にしてもらったから、私も下にそうやって返していると

と言っていて、なるほどとおもった。プラトンの恋愛の話を思い出す。子供を作ることじゃなくて、真理、、真理だっけ、いやイデアだな、イデアを知ったら、それを知らせようと何かを作る、それは子供である必要はないし、何等かの創作物である場合もある、みたいな話。そうやって相互依存的に、ちょっとずつ預け合って、生を繋いでいくのだろうか。レヴィナスに入門したら、少しはわかるだろうか。

 

腹の立つ人はそれはそれでいて、自分の話しかしないのはやはり疲れる。あと、他人のことを馬鹿にするのと、私も馬鹿にするけど、「なんかいやだな」と思うのはある程度あって、それを因数分解したい。こういう人と話していると、私もあなたの話同様、つまらないし、他者に私の話を聞かせるのはさぞ面白くないのだろうと思って、人と話せなくなってくるという傾向がある。

 

私のメンターは、寂しいと言っていた。寂しいだろうな。

 

ボーナスを全部ローンの返金にあてて、10年で払いきったと。頼りになり、優しくて、仕事ができて、てきぱきしていて、判断の早いお姉さまだった。判断が早いというのは私ができないことの1つで、でも彼女は「じゃあこうしましょう」「とりあえずこれでやろう」っててきぱきしていて、「そんなことおっしゃらずに、探せる道を探りましょう」と「自棄にならないで」と言っていて、私はそんなことを他者に言えるようになるのだろうか。そんなこと言ってないよと言ってたけど、言ってたのよ。大好きだった。もう一生会うことはないのだろう。

 

 

いつもおしゃれなお姉さんがいて、色の合わせがいつもすてきだった。おしゃれなアクセサリーをしていた。

 

京都出身の、きさくなお姉さま。いつも話してくれて有難かった。

 

続きは明日にでも書こうかな。あと、学科に提出する資料を書かないといけない。